サフランの道

インドのレストランにいったら、ドアのところに「幸福のレシピ」というのがあった。愛と慈悲のサフラン(ロード)・インド・ブログです。
15 ラクダをつなぐ−スピリチュアル寓話集−


師と弟子は、ラクダに乗って砂漠を旅した。
ある日、ようやく宿に着いたときには、すでに夜だった。彼らはくたくたに疲れはてていた。
ラクダをつなぐのは弟子の役目だった。が、彼はあまりにも疲れていたので、神に「ラクダの世話をお願いします」と祈って、そのまま眠ってしまった。朝になると、ラクダはいなかった。師が弟子にたずねた。
「ラクダはどこだ?」
「わかりません」と弟子がこたえた。「でも、ラクダのことは神に頼んでおきました。『神を信頼せよ』というあなたの教えを実践したのです」
弟子の言葉を聞いて、師が言った。
「神を信頼するのはよい。しかし、まずはじめにラクダをつながなければならない。神はおまえの手のほかに手をもっていないのだ」


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14 風がふけば - スピリチュアル寓話集-

アクバル帝の「九つの真珠」のなかで、もっとも賢人ぶりを発揮するのがビルバルである。
あるとき、宮廷の床に一本の線を描いて、アクバルが言った。
「この線を消さないで、短くできるか?」
人々が途方にくれるなか、ビルバルのばんになった。 ビルバルはアクバルが描いた線のとなりに、一本の長い線を描いた。 そのため、最初の線は短くなったように見えた。
「なるほど、触れられずして最初の線はみじかくなった」 と人々はうなずきあった。
また、あるとき、アクバルはとなりに座っていたビルバルの頬を、突然平手打ちにした。
アクバル帝はすこし風変わりな人だったが、王に理由を問いただすわけにはいかない。しかし、これほど多くの面前で平手打ちにされて、ただ黙っているわけにもいかなかった。宮廷はシーンと静まりかえって、ビルバルの対応に注目した。 ビルバルは一瞬考えたあと、振りむきざまに彼のとなりにいた男の頬をおもいきり叩いた。その男も驚いたが、もはやビルバルが道を開いたようなものだ。彼もすぐさまとなりの男を平手打ちにした。平手打ちはつぎつぎと順送りされていった。
それを見て、アクバルがたずねた。
「これはいったいどういうことなのだ?」
ビルバルがにっこり笑ってこたえた。
「明日の朝までにはわかります」
こうして、<自分より下位のものを突然平手打ちにする>というゲームがはじまり、その日一日、街中をかけめぐった。街は一種の祭り状態になり、人々は興奮し、おおいにこのゲームを楽しんでいるようすだった。
その夜、アクバルが寝室に入ると、突然、女王が彼の頬を平手打ちにした。
「どうしたのだ!?」
驚いたアクバルがたずねると、女王が笑って、こたえた。
「街中がこのゲームでわきたっています。私もたたかれました。今度はあなたのばんです」
帝王といえども妻には弱い。 翌日、アクバルが言った。
「まったく不思議だ。私自身の平手打ちが、街中をひとめぐりして、また私のところに戻ってきた」


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13 魂の歌 −スピリチュアル寓話集−


アクバルは、インドにムガール帝国を樹立した偉大な帝王だ。 王のもとには、「九つの真珠」と呼ばれるすぐれた人々がいたが、そのなかのひとりにタンセンという音楽家がいる。彼がタンブーラを弾きながら歌うとき、聴く人はだれもが深い恍惚境に入りこんだと言われている。
ある日、タンセンはいつものように、アクバル帝のまえで歌っていた。タンセンが歌いおわると、宮廷には音楽の余韻とともに心地よい静寂がただよっていた。
「タンセン、なんとすばらしい音楽だろう! 私はおまえのように歌う人をみたことがない。おまえは最高の歌い手である」とアクバルが言った。
「身にあまる光栄です、王よ。しかし、私は正直に申し上げねばなりますまい――私よりはるかにすぐれた歌い手がいるということを・・・」
「信じられない、タンセン。おまえより上手に歌う人間がいるなんて・・・。それはだれなのだ?」
「私の師で、ハリダスという名前です」
「そんな人がいたのか。私はぜひともハリダスの歌を聴いてみたい」
「師は人のためには歌いません」
「私はアクバル帝王だ。私の命令にそむくことはできまい」
「師はサドウー―世捨て人―です。王といえども、歌わすことはできないでしょう」
「では、どうすればよい? 私はなんとしてもハリダスの歌を聴いてみたいのだ」
「では、まず師の居所を捜してみましょう」
タンセンが人を使ってハリダスの居所を捜させると、ハリダスはヤムナ−川のほとりの小屋にいることがわかった。近くに住む人たちの話では、ハリダスはほとんど一日中川辺に座っているが、ときおり、真夜中に歌声が聞こえることがあるという。
満月の夜、アクバルとタンセンはふたりだけでハリダスの小屋にむかった。小屋のまわりは葺が高くおいしげり、身を隠すには絶好の場だった。 彼等はじっと待った。 夜が更けていった。満月が高くのぼった。 静けさが深まっていった。まわりにはひとっこ一人いなかった。
そして、ついにハリダスが歌いはじめた。 それは不思議な歌だった。 それは魂の奥の奥にしみわたっていくような歌だった。
アクバルは、声もなく、呆然と、ハリダスの歌を聴いていた。
ハリダスは、月にむかって、川にむかって、闇にむかって、歌っていた。 ときに一弦琴を奏で、ときに踊りながら、歌っていた。
アクバルの眼から涙がとめどなくあふれだしてきて、とまらなかった。 彼等は無言のまま夜を過ごした。 宮廷に戻ってから、アクバルが言った。
「タンセン、私はいままでおまえにまさる歌い手はいないと思っていた。しかし、ハリダスの歌を聴いたいま、おまえは無にひとしい。このちがいは、いったいなんなのだろうか?」
タンセンが静かにこたえた。
「王よ、私は人々のために歌います。それによって富や名声を得ます。私はなにかを得るために歌っているのです。私の師はちがいます。師は静寂のために歌います。至福のために歌います。 私はなにかを得るために、人々にむかって歌います。が、師はなにかをすでに持っているがゆえに、神にむかって歌うのです。 これは決定的なちがいです」



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12 光の宮殿−スピリチュアル寓話集−

王は、後継者を選ばなければならなかった。 彼には三人の王子がいた。 どのようにして後継者を選んだらよいか助言をもとめるため、ある日、王は聖者を訪れた。
「後継者にはなにをもとめるのかね?」 と聖者がたずねた。
「賢く見ることのできる洞察力です」
数日後、王は三人の王子を宮殿に呼んで、言った。
「後継者を決めるときがきた。その方法は、おまえたちの宮殿をなにかでいっぱいにすることだ。なにでいっぱいにしてもよい。しかし、予算はコイン一枚、期間は一週間だ」
三人の王子は、それぞれ広大な宮殿に住んでいた。
第一王子は農家から収穫後のワラを買いあつめて、宮殿に運び込んだ。 しかし一週間後に王が訪れたときには、宮殿の三分の二しか埋まっていなかった。
王は不満げな様子で、第二王子の宮殿に向かった。 宮殿に近づくにつれて、いやな匂いがおそってきた。その匂いはますます強烈になり、宮殿に着くころには呼吸することさえむずかしいほどだった。 王子は町中のゴミを集めて、宮殿をゴミでいっぱいにしたのだ。 王は強烈な匂いに吐き気をもよおしながら、絶望的に首を横にふった。
王宮に戻ると、いちばん若い王子が言った。
「私の宮殿には今夜おいでください」
王は、彼が一週間のあいだ、あらゆる家具を運び出し、毎日宮殿内を掃除して、ぴかぴかにみがきこんでいるという噂を聞いていた。しかし、そのあとになにかが運び込まれた様子はなかった。
王は、夜になって、第三王子の宮殿をおとずれた。 王子は宮殿内に王を招きいれた。 宮殿にはだれもいなかった。 家具も、食器類も、あらゆるものが運び出されて、なにひとつ残ってなかった。
静まりかえった宮殿のなかを、二人は歩いた。 それぞれの部屋と廊下の隅々には、明かりがともされていた。それは神秘的なうつくしさをかもしだしていた。 王が言った。
「すばらしい。なんと神秘的なうつくしさだろう! しかし、宮殿のなかはからっぽではないか。私は、なにかでいっぱいにするようにと言ったはずだが・・・」
王子はにっこり笑って、言った。
「宮殿内の空間はすべて、明かりで照らしだされています。おわかりになりませんか? 宮殿は光で満ちているのです」
王子の顔を見ながら、王は満足そうにうなずいた。


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11 これでもない、これでもない−スピリチュアル寓話集−

若い娘の夫が、友人たちと一緒に妻の実家を訪れてきた。娘とその友達が窓越しに彼らを見ていた。娘の友達は、だれが娘の夫なのかまだ知らなかった。彼女は、若者たちの一人をゆびさして、
「あの人があなたの夫なの?」と聞いた。
「ちがうわ」と言って、娘はにっこり微笑む。彼女はまた別な若者をゆびさして、
「じゃあ、あの人が夫なの?」と聞くと、娘はまた、
「ちがうわ」と言って微笑む。三人目の若者にも、四人目の若者にも、娘の答えは同じだった。
最後に、「あの人がそうなの?」と聞くと、彼女は「そうだ」とも「ちがう」とも言わずに、ただにっこりと微笑んだ。それによって、娘の友達は、彼が娘の夫だということがわかった。

もうひとつの話をつづけよう。
赤ん坊のときに誘拐された息子を捜して、男は何年も旅をつづけていた。
彼はようやくの思いで盗賊たちの館をつきとめ、扉の前までやってきた。夜もふけて、あたりは真っ暗だった。家の奥のほうからは、盗賊たちの酒盛りの音が聞こえていた。
男は静かに扉をあけ、注意深く暗闇のなかを進んでいった。
椅子に触れた――これではない!
棚にふれた――これではない!
テーブルにふれた――これではない!
だが、じょじょに子供の寝息に近づいているようであった。彼はなおも進みつづけた。
ベッドの足にふれた――これでもない!
毛布にふれた――これでもない!
枕にふれた――これでもない!
そして、ついに眠っている子供の身体にふれたとき、男はもはやなにも言わなかった。よろこびが稲妻のように彼の全身をつらぬいた。彼は子供を抱擁した。



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10. ライオンの咆哮(ほうこう)−スピリチュアル寓話集−



羊飼いは、毎日羊の群れをつれて、森や草原を歩きまわっていた。 あるとき、川辺で羊たちに水を飲ませていると、薮のかげから小さな動物の鳴き声が聞こえてきた。 不審に思って声のするほうに行ってみると、一頭のライオンが死んで、横たわっていた。そして、そのそばに、生後まもないライオンの子供が、死んだ母親にすがりつくようにして泣いていた。
羊飼いはかわいそうだと思って、ライオンの子をつれてかえり、それを羊の群れのなかにいれて育てた。 ライオンの子は、ほかの羊たちと同じように育てられた。 そして、彼はミルクを与える羊を母親だと思い、一緒にミルクを飲む羊を兄弟だと思いながら成長した。
大きくなるにつれ、ライオンの子は、自分がほかの羊たちと少しちがっていることに気づきはじめた。 たてがみのところにふさふさした体毛はある。だが、ほかの羊のように全身をおおっているわけではない。声も低音で、すこし奇妙だ。それになにより、草を食べてもちっともおいしいと思わない。
羊は一日中草を食べて満足しているが、ライオンはそうではなかった。 まわりの羊たちは、彼を<病気の羊>という目で見ていた。
ある朝、羊たちはいつものように草原に散らばって、草を食べていた。 そこに一頭の大きなライオンがやってきた。 薮に隠れて、羊たちに近づきながら、群れに襲いかかる瞬間を確かめるように、羊の群れを眺めた。
大きなライオンは、そこに信じがたい光景を見いだした。 羊の群れのなかに一頭の若いライオンがいるのだ。 まわりの羊たちはその若いライオンを怖がるわけでもなく、一緒に草を食べながらたわむれている。 大きなライオンは自分の目を疑った。 こんな光景は今まで見たこともなかったし、聞いたこともなかった。
大きなライオンは藪から飛び出した。
「ライオンだ!」
羊たちは四方八方に逃げはじめた。自分を羊だと思っている若いライオンも、みなと同じように必死に逃げた。 大きなライオンは羊たちには目もくれず、若いライオンにむかって一直線に走った。 若いライオンも全速力で走ったが、大きなライオンの足にはかなわなかった。
彼はつかまってしまった。 恐怖で全身をおののかせながら、若いライオンは泣いて許しをこいはいじめた。
「おー、どうか私を食べないでください。お願いですから、みんなのところへ返してください。メエー、メエー」
自分を羊だと思っている若いライオンは、必死に嘆願した。 大きなライオンは、若いライオンを押さえつけながら言った。
「なにをバカなことを言ってるんだ! おまえは自分を羊だと思っているようだが、ほんとうはライオンなのだぞ」
若いライオンは意味がわからないという顔つきで、言った。
「私は羊です。生まれたときから羊の母親のミルクを飲み、兄弟たちと草を食べながら生きてきました」
言葉で説明しても無理だと思った大きなライオンは、若いライオンを近くの沼までひきずっていった。
「目を開いてよく見ろ! 私の姿とおまえの姿を見れば、 同じだということがわかるだろう」
若いライオンは、水にうつったふたつの動物の姿を見た。 それは驚きだった。 水面にうつっている自分の姿はほんの少し小さいというだけで、大きなライオンの姿とまったく同じものだったからだ。
若いライオンは、その瞬間、すべてを理解した。
長いあいだ、自分でもなにかがおかしいと思っていた。 いくら羊たちのようにふるまっていても、そこにはぴったりおさまりきれないもどかしさ、苦しさ、葛藤があった。 一陣の風が吹き、彼ははっきりと自分自身を認識した。 すると、内側から大きな力が湧きおこってきた。そして、それは耐えがたいほどの強烈さで爆発した。
若いライオンは全身をブルルッとふるわせると同時に、「ガオー!」というライオンの雄叫(おたけび)びをあげた。 それは、本来の自分自身を知った歓喜の雄叫びだった。




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9 群盲、象をなでる−スピリチュアル寓話集−

町に盲学校があった。 あるとき、子供たちを森にピクニックに連れていった。昼ご飯を食べて、皆おもいおもいに休んでいると、そこに象と象使いが通りかかった。先生は子供たちに象という動物を学習させたいと思い、象使いに頼んでみた。象使いはにこにこしながら言った。「いいですよ。この象はおとなしいから、さわっても大丈夫です」
先生の指示にしたがって、子供たちは象をとりかこむようにしながら、それぞれ象に触れはじめた。一人の子供は象の耳にさわった。その大きな耳をやさしくなでながら、彼はこう思った。「象は大きなうちわのようだ」
別な子供は象の足にふれて、思った。「象は太い柱のようだ」
また別な子供は象の鼻にふれて、「象は太いこん棒のようだ」と思った。
象の腹にふれた子供は、「象は大きな壷のようだ」と思った。
だれもが象にふれた体験をよろこんでいた。
学校に戻ってから、先生が子供たちにたずねた。
「象というのは、どんな動物でしたか?」
子供たちは、それぞれ感じたことを話しはじめた。
「象は大きなうちわみたいなものです」と最初の子供が言った。
「違うよ。君はわかっていない。象は太い柱みたいなものだ」と二番目の子供が言った。
三番目の子供が、笑いながら二人のあいだにはいって、言った。
「なんてばかなことを言ってるんだ。象はうちわのようでもないし、柱のようでもない。それは太くて長いこん棒みたいなものだよ」
三番目の子供が言いおわらないうちに、また別な子供が口をはさんだ。
「だれもわかっていない。象は大きな壷みたいなものだ。そうでしょう、先生!」
子供たちの議論は白熱して、しまいには口論になっていった。それが峠をすぎたころ、先生が言った。
「先生が象とはどんな動物か話してあげよう。みんなが言ったことは正しくもあり、また間違ってもいる。君たちのそれぞれが触れたのは、象という動物の一部分だ。そこから象の全体像を描こうとしても、それは正確なものではない。象はうちわのようでもあり、柱のようでもあり、またこん棒のようでもあり、壷のようなものでもある。そして、これらすべてをあわせたより以上のなにかだ。それは全体を見ることによってはじめてわかるのだ」

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8 夢のおつげ−スピリチュアル寓話集−

イエケルの息子エイシクが夢をみた。
それは、プラハ王宮の橋のたもとに宝物が埋まっている、という夢だった。
同じ夢をつづけて何回も見たので、彼はプラハへの旅にでることを決意した。
しかしプラハに着いてみると、王宮につうじる橋にはつねに見張りが立っていて、そこを掘ることはむずかしかった。
毎日橋のたもとにでかけ、一日中、その辺りで時を過ごしていると、守衛頭がエイシクに気づいて、彼に話しかけた。
エイシクがプラハへ来ることになった夢の話をすると、守衛頭はあきれた様子で、笑いながら言った。
「夢のおつげを信じて、ここまでやって来たのか!
そんな夢を信じるなんてばかげたことだ。
似たような夢なら私も見たことがあるが、それにしたがうなら、クラクフに行って、イエケルの息子エイシクの家を探し、その暖炉の下にある宝を掘らなければならない。
だけど、考えてごらんよ。クラクフでは住民の半分がエイシクで、残りの半分がイエケルという名前だ!」
エイシクはていねいに礼を言って、家路についた。
そして、自分の家の暖炉の下を掘って、宝物を手に入れた。

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7.世界でいちばん幸福な人−スピリチュアル寓話集−

ひとりの男が偉大な聖者にたずねた。
「私は裕福で世間的には問題ないのですが、どうしても心が落ち着きません。心の平安を見つけて、幸せを得たいのですが、それにはどうすればよいでしょうか?」
聖者が言った。
「ある人間に見えないものが、ほかの人間にはよく見えるものだ。私はおまえの病を治す方法を知っているが、それは通常の治療法ではない。それでもやってみるか?」
絶望している男は言った。
「どんなことでもする用意はできています」
聖者の助言はこうだった。
「その方法とは、旅に出て、世界でいちばん幸福な人を捜し出すことだ。その人を見つけたなら、彼の着ているシャツをもらって、それを身につけなさい。それがこの病の治療法だ」
男は、その後すぐに、世界でいちばん幸福な人を捜す旅に出た。幸福な人はつぎつぎと見つかったが、彼らは口をそろえたように、こう言った。
「私が幸福なのは事実だが、私より幸福な人がいます」
こうして、長い間、多くの国を旅したあげく、男はついにだれもが「世界でいちばん幸福だ」という人の住む森にたどりついた。
森までくると、森の奥の方から大きな笑い声が響きわたってきた。男は笑い声のする方向へ足をいそがせた。笑い声の主は、森のなかの小さな広場に座っていた。
「世界でいちばん幸福な人というのはあなたですか?」
と男が聞くと、
「そのとおりだ」
と彼は言った。
男は自分自身について話し、旅の目的について説明したあと、
「この病を治すには、あなたのシャツを着ることが必要なのです。どうか、それを与えてください」
と頼んだ。
世界でいちばん幸福な人は、じっと男の顔をみつめて、それから大声で笑いはじめた。彼は、笑って、笑って、笑いつづけた。
笑いがおさまったあとで、男が言った。
「私が真剣に頼んでいるのに笑うなんて、あなたはおかしな人だ」
「そうかもしれない」と幸福な人は言った。「しかし、おまえがちょっとでも注意して見たなら、私がシャツなど着ていないことがわかりそうなものだがね」
なるほどよく見ると、聖者は腰布(ルンギ)をまいているだけだった。
男は、途方に暮れてなげいた。
「それでは、私はどうすればよいのでしょうか?」
すると、世界でいちばん幸福な人が言った。
「どうもする必要はない。達成しがたい何かのために努力することが、おまえの望みを達成するために必要な修行であったのだ。意をけっして急流に飛び込む人は、自分のなかの驚くべき力を発見して、川を横切ってしまうものだ。おまえの病はすでに治っている」
そう言うと、彼は頭にまいたターバンをほどいて、顔をあらわした。
それは偉大な聖者その人だった。
驚いた男が言った。
「あなたでしたか! それなら、なぜあのときそう言ってくれなかったのですか?」
聖者は微笑みながら言った。
「おまえには用意ができていなかった。だから、一定の準備が必要だったのだ。その試練を通過するなかで、治療薬がもたらされたというわけだ」


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6 師をみつける −スピリチュアル寓話集−

ひとりの若者が、師を見いだすための旅に出た。
行く先々でいろいろな人や場所を訪れてみたが、「これこそ私の師だ!」という人には出会わなかった。
あるとき、彼は歩き疲れて、草原の大きな木の下で休んだ。そこには、すでにひとりの老人が坐っていた。
若者はとわずがたりに、自分の旅について、その目的について、老人に話した。
老人は若者の話をだまって聞いたあと、言った。
「おまえの師は、この道をどこまでも西に進んでいったところで見つかるだろう」
老人は、若者の師がどんな姿かたちをしていて、どんなところで、どんなふうに坐っているかを詳細に語ってきかせた。
若者は老人に礼を言い、よろこび勇んで旅をつづけた。
太陽が沈む方向にむかって、ときには歩き、ときには舟に乗った。
旅先で得た情報をたよりに、さまざまな師やサドウーを訪ねてみたが、老人が言いあらわしたような人には出会わなかった。
彼はそのたびに西にむかって進みつづけた。
そうして、20年が過ぎた。
若者はもはや壮年になっていた。だが、師はまだ見つからなかった。彼は旅に疲れ果てていた。
あるとき、彼は夕日が沈む方向に、大きな樹があるのを見つけた。そして、その下には人が坐っているようだった。
近づくにつれて、そこに坐っている人は、20年前に老人が語り描いた師の姿そのものだった。
師は、オレンジ色の衣(ロ−ブ)をまとい、長い白髪を肩までたなびかせている。
そのとおりだ。
師は、大きな木の下で、夕日にむかって蓮華座に坐っている。
まったく、そのとおりだった。
「見つけた!」
彼ははち切れんばかりのよろこびとともに、師のもとに駆けよった。
そして、師の顔を見て、驚いた。
それは、20年前に出会った老人その人だった。
老人は自分の姿を描写して聞かせ、若者はそれを見つけるために、地球をちょうど一周してしまったというわけだ。
「あなたでしたか――!」
と彼は叫んだ。
すると、師はにこりと笑って、「ようやく着いたか」と言った。
「それなら、どうしてあのときそう言ってくれなかったのですか? そうすれば、みすみす20年という時間を無駄にせずにすんだものを・・・」
彼がうらめしそうに言うと、師は毅然とした口調で言った。
「あのときも今も、私は同じだ。しかし、あのときのおまえには理解できなかった。それがわかるためには、20年という年月の探求が必要だったのだ」



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